蝉がなく 夏の掛け算 真っ盛り
あんまり光が 強くって 私の影法師は 独り立ちする
猛光撃 涼し気にかわす 草木たち
観葉植物が届く 兄が 「草が来たな」 と言う 言葉のイメージはこわい
雹をよけながら帰る 映画のワンシーンのように
曲がり角 ふうりんの音 あかね雲
一匹の蚊に翻弄される家族
風見鶏 無風の中で じっと耐え
そびえたつ 塔の途中に 一番星
作るをやめる やめるを増やす 増やすは緑 緑はうれしい
思い出すのは 数々の ごめんなさい
いるのいないの? そう聞かれたら そうっと上を向く
お気に入り 私はメモ派 君スクショ
日陰が うっすら明るくなる そんな人に 私はなりたい
タッチミスと 入力ミスで 疲労度がわかる
ふたばの絵は 得意だ 熱心は観察日記は そこで終わっている
週末が近づくと だんだん だんだん 起きられない
指点字 世界とつながる 手のひらの上
童謡を 短調にして 吹いてみる まるでこの世は 世紀末
雨だれが 予告もなしに 蚊に落ちる
回覧板の日付の字 少しずつ崩れている 私には SOSに見える
苦手な科目は 目は読んでいるが 頭はじっとしている
震災の時に出来た まだ直らない亀裂 奥底から緑たちが 命を輝かせている
先生の手をぎゅっ 小さな足で進む すぐそこまでの 大冒険
ゆっくりと 列を連ねて 進むのは 新緑色の 小さな帽子
たかが夢 されど奥深い心 小出しする夢
上野駅は今、 異国の言葉を 聞きにいけます、 啄木さん
来客に あーどうしよう あーどうしよう 猫は尻尾で訴える
マスクの中は 隠したいあたしが いっぱい
母の日を 兄サプライズで 思い出す
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