この世から言葉が消えたら その時はただただ沈み続ける太陽
階段はいいよな 三組のあの子の スカートの中どんなんだった?
フクロウを飛べない鳥だと思って る二人は積み木をどんどん崩す
ひかっていました 青い空と誰の 手も借りないで買った灰皿
肺呼吸だからいけないのか きみは水族館でわたしを見ない
早朝に白湯のかがやき 薄命は 唯一ぼくを生かしてくれる
風下にふんわり溜まる春があり 僕らはいつも歴史の途中
悲しいね そういわれればまあ何 でも悲しく見えるだけのことだね
甘くないコーヒー静かに流し込む 滅ぼしたいものばかりの夏に
性欲にあなたを関わらせたくない ごめんゆるして激しい右手
やさしさの海を泳いできみという 島はとおいとおいむかしだ
灰皿にたまる死骸は増えてゆき まぶたの裏のあいしたひとたち
夜の絵を描ける人に恋をした その日は夜のことを調べた
逆光のかみのけゆれる たましい は星になるときいちばんほんとう
潮風にかこまれながら夜はただ ひかりの無さ あなたはあなた
帰り道「じゃあまたね」って言い 合えばああ誰にでも生活はある
将来の夢はあめんぼ しりたくて しったことなどひとつもないよ
ずるいひとくちびるの絡まり具合
死んだあと それはかなしいかも しれず六割くらいは花にされます
三人称の話題ばかりであたしたち こんなに近くで近づけずにいる
愛かもな 泥酔のあとのスーパー で値引かれる分の三割五分は
きみとぼく約分してもきみとぼく
梅雨入りを拒むみたいに猫の死骸
花まみれ雨まみれ白い指まみれ あー、いのちをすてたくないなあ
会いたいと言ったら負けの真夜中 を勝たせてあげるマニキュア零す
ペットボトルをふたりで いっぽん分けながら 夜中を葬式みたいに泣いた
めずらしくさむいねさみだれささ さささささささっきの男の子だれ
殺し屋の孫になりたい 図書館の パートの主婦に鉈をみせたい
だれのことすきになればいい 地球の重さをひとりでしってる ただ夜
悲しいと唱えて悲しい顔をする
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