夜祭りのひよこの爪が伸びるまで 何もいらない 神さま待って
くちばしのまるい折鶴 ヘビイチゴ たんぽぽの束 点滴チューブ
氷を齧っている少女 ときどき 片想いになりますように
歯ブラシはねる 馬になって 大海原を渡りたい
早朝四時の国道に クリームパンが轢かれていた
黒一面に塗られた背景の 白百合一輪 故人を見ている
道徳の時間にかかった 虹なんて信用できない
砂の音を知っている あなたは優しい大人になれる
茹であがった豆が いっせいに手を叩いた
ダークチェリー 滴る 世界はここだけみたい
世界で いちばん着づらい 民族衣装の国に 生まれたこの奇跡
山折りで好きだと言って 谷折りで待ってと伝える
薬の割れ目みたいな溝が はじめっからついていた、 わたしたちの体と体
お薬手帳を見せてもいいし 結婚したっていい相手なの。
こちら晴れ あなたは新幹線の雨のなか
アレルギー検査をしたら あなたがひっかかっていた
葉っぱは実用品です。 goodbye 書いたら送れます。
君がバケツで 砂場の文明を潤したんだ。
おさんぽ、なんていうけど 君の心臓を連れ歩く責任感。
顔文字で終わった別れ話
悪い子は眠れ眠れ その舌に ガムシロップを たらしてやるぞ
友だちと喧嘩した日 火星移住をかんがえている
月に生える 最初の 雑草になりたい
親を呼ぶ声が朝焼けで 子を呼ぶ声が夕焼けの色
この恋は発泡スチロール こまかくこまかくこぼれるの
素麺は青い絵の具で描くんだよ
夜空には引っ掻き傷があるだろう
あたしたち きれいじゃなくて 生きている お花を抜いて わらいあってる
砂時計をひっくりかえす仕事
あのこ嫌い、 ブランコこげば いけると思ってる。
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