本を 焼く 焼き叫ぶ 黒揚羽
流れ星死を忘れつつある速さ
シャボン玉 ストリートジャズの 辺りから
噴水がいちばん高いとき黙る
君からの言葉の針で編むニット
嫌いな奴に欠伸がうつる
私を見る テレビ エントロピーの たそがれ
暗証番号は 誕生日 誰のかは 忘れたけど
死なないと決めて コスモスに触れる
流れ星夜空の傷はすぐ閉じる
酔った父は月まで水を買いに行く
妹が 家の 形に 育ってしまう
秋思とは君がその髪むすぶこと
ポケットの中に銀河 銀河の中に私
ビル街というオカリナに秋の風
水中には 閉曲面 たとえば 金魚
かなかなよ無謀な恋はやめておけ
死にたい時は蛍の真似をする
路地行けば また 路地に出る 首都盛夏
遠雷 妹が眉毛を剃りはじめる
指鉄砲撃って わずかに 蝶 しずむ
紫陽花を亡子の脳と思うまで
サイレンが 遠くに消えて 蛍
沙漠の夢 嗚呼夢か 蝶みたいに千切られる夢
手を伸ばす分だけ落花遠くなる
我の血を体で包む蚊も我か
内濡れた マスクを 振れば 国旗めく
夏芝を保育士さんが猛ダッシュ
梅雨ぐもり猫背直してまた猫背
花を親を君を ついでに 死を忘れ 三十六億年の 孤独
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