柵越しにヘッドライトが 千切られて 星へと還る 星へと還る
すりつぶす蛍光灯のこどもたち 最小単位の星になるまで
透明な水槽にまたことばを放流
ひだまりに 灼け落ち溶ける紋白蝶 はんみりみり、と のこしたきらめき
春風を束ねるリボン 募集中
あのひとは 風に名前を分けたらしい とても透明な、響きだったという
タッタララ どうだみてみろ このおれの やらかいにくの 醜いところ
子牛は 寒さを 悲しみました
「ペンギン」は いつの季語か答えなさい
迫り来る桜前線 ちょうどいいね、 今日の生姜焼きの味付け
苦しみを角砂糖としてたべる
ちゃぷりん とゆっくりこの身を沈めたら 私の裂け目に白湯が染み込む
秒速で消したぼくらのため息は プールの水底 塩素のかたまり
いつまでも かえってこない やまびこを 待ち続けてもう 三年経ったよ
星の決壊 なみだが枯れて やっと砂漠になれる ときみが呟いたとき
帰りの会 ひとりで 海に シオンを ささげる
蜜蜂の針に憧れているサボテン
厳しさはわたしのそとに飽和して それでも花束贈呈します
さびしさに 疲れて 夕陽を たべてみる
よそのこが 夜の端っこ たたかって 悲鳴をあげてる どうしたらいい?
交差点 拾ってしまった蜘蛛の糸
またね、って 口籠るとき氷河にて ぱきり、と割れた 熱があること。
駅前は 星屑たちの 控室
動脈の窪みにはまって暖をとる。 身動きは不可、そんな生活。
どうしたら ガラスに温度をわけられますか? 脈を感じるいま訊きたいです。
うちがわのぼく のしらないぼく の かなしげなつめ
Vacancy 住人ひとりの質量 を 失いおなかが とおぉんと遠鳴り
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類