君の隣で簡単な身体になる ベランダに雪うっすらと
ウィキペディアに 君のページがないなんて!
ベランダで風船ひとつ飼っている
ビー玉を口にころがす時雨かな
花束のうっすら光る君の夜
合鍵を指先に押し当てている
マルボロやきっと 年賀状くださいね
鯛焼屋の前をにこにこして通る
単純労働マスクの下があったかい
鼠たち齧る歯磨き粉も指も
白樺や戦争に来て背が伸びた
ときどきの ファストフードが沁みて雨
猫の子は半年でもう母となる ずっと石橋叩いていたい
選挙ひょいと行く 美術館に秋晴れて蝶
大さじに小さじ重ねて秋の夜
リップずっと 減らない 怖い 曼珠沙華
静物としての林檎を齧ります
死を選ぶにはみっちりの冷蔵庫
フランスの影のきれいな映画かな
ポケットに直接金の伊達メガネ
人拐いたちを馬車で海まで送る
筆名も偽名のひとつ花の頃
夕焼けてお墓に備えあるお酒
恋人の名字平凡小鳥来る
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