だんだんと空は重たくなっていて 支えるためのビルも増えていく
紙吹雪みたいにひらめく鳩の群れ
乾麺を生き返らせる三分の間で 侍五人が死んだ
レジ前で小銭ばら撒く 居た堪れなさが懐かしい スマホ決済
石鹸や消しゴム 一緒にいるほどに 小さくなってしまうものたち
ビル街に空き地が一つ 悪ガキが指でほじった 障子みたいな
公園に取り残された円が並ぶ けんけんぱっぱけんけんぱ
残り少なくなるほどに ちぎり損ねが増えてゆく 日めくりカレンダー
エコバッグを忘れてしまって 帰り道卵を温めながら歩いた
ビロードを別珍と呼ぶ その方が私に近いような気がして
何もかも誰かの欠片のようで、夏
優しくはないと思うよ いつだって優しくあろうと 思ってるけど
思い出の中のあなたは 目薬をさす時いつも口が空いてる
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