どうしても猫背で鰯雲が飛ぶ
はじめて聴く君の寝息と秋の雨
青嵐雲の匂いの犬を抱く
僕たちの町も化石にいつかなる そのときの夏 そのときの風
友達に借りたゲームで ハイスコア更新したら 網戸から風
お母さんのいない日 棚のバナナから 完璧な一本を選んだ
ペンギンの夢を見ていた昼下がり なんとなく始まる夏休み
かちかちと星が鳴る夜 おもしろい転校生の家に降る雪
西口の改札抜けて 「先輩」 と呼び止められる冷えた秋の日
最悪の夢から醒めた真夜中の 手がピーナッツバターの匂い
だめだった会話を思い出しながら きらきら光る川を見にいく
公園の果てまで散歩してしまい ここも世界の終わりと思う
夏みたいな春の日 やめたバイト先に じっと並んだ綺麗なケーキ
海月、そして上昇下降するすべて
秋麗お釣りが手のひらに落ちる
陸に生まれ紫陽花は寂しく濡れて
眠るときあしたが滝になって降る
音漏れが凄くて揚羽蝶だった
天の川ゴミ捨て場まで寝癖のまま
蟹朽ちて砂つぶごとにある光
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