ともだちより半歩遅れて梅の花
海ばかりみていて四月
ひなげしまだ燃えて夕日
夜が来る、 おまえの名を呼ぶたびに。
今日なら会いたい マニキュアきれいに塗れたから
月も眠る夜人魚ゆうらり
角砂糖をわたす手つきで 寂しさを指摘する
沈丁花 いっそ憎みたかった
生まれてはじめての 恋なのです、 わたしはいま生まれたのですよ。
異国の風の名を唱えるあなたは 世界でいちばん臆病だった
世界がほろびる前の日 猫の爪を切ってやる
さよなら あたしすみれの花になります
あなたが好き、 口の端からこぼれるとき 真っ黒な夜が来る
雪の夜 人は鶴に還る
菫見つけた 死ねないでいる
子どもことこと 春がきますよ
梅は赤色 あなたのために死ねません
まだいとけない顔、 焼くために紅をさされる
月の光しずかに いつかは焼かれる躰に
にんじんの半身切りきざむ宵
悪夢には すりおろししょうがと蜂蜜
夢の道角砂糖ならんで通る
書けない詩を猫がよこぎる
病床で浴びる朝のひかり 吐く息のすみずみまで照らす
つぎの語で詩を作りなさい 春・あなた・わたり鳥
「すべては悪い夢。 もうお眠りなさい」
春のメロンパン泥棒
くしゃみしてあいつも故人
雨の後は月さえ滴り落ちる
闇にも質量がある 今日の夜はようかん並み
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