桜東風象も象使いも眠る
魂の重さはきっと落椿
東京に流星俺の墓はどこ
春の夕どの団地からミシンの音
護送車の中に残った桜の香
ペダル漕ぐ春風は未来より吹く
不器用に握り返す手猫柳
吐瀉物に少しだけ血があり雨水
初めての煙草を吸って夜半の冬
冬銀河少女のイヤホンよりジャズ
透明という絵具あり虹時雨
コーヒーと深夜ラジオと虫の音と
消印の薄い恋文白い菊
白い菊母の匂いのしない母
まるで銀河棺の中の白菊は
網棚に忘れ去られた夏帽子
神を信じずかき氷崩してる
一時停止線の白さ夏の果
秋燕棺に煙草入れて去る
ほぼ父が作った夏の貯金箱
月の夜の喧嘩の作法教えをり
我が骨は野に魂は流星に
ソーダ水こども百科を子に譲る
静脈を切れば白夜となる世界
嘘だってわかる約束青薄
孔明の罠の如皆夏痩せす
夏風邪で休んだ奴が映る海
さよならは花火の音で聞こえない
八月の乳母車には誰もいない
血が流れでる白夜なら美しい
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