天使には一人でしんだ人がなる 渋谷で無数の天使の羽音
わたくしの骨に指紋をつけるなら 選び抜いた一本を伸ばせよ
制服たち はるのひかりをこわがって ここを出てもわたしって続くの?
この部屋に私を置くのを好む人 がいない時間も家具として立つ
傘の骨折りたたむとき血まみれの 獣折るよう手が濡れていく
凍らした十代の僕の皮膚片を なんとなく溶かしなにもない夜
虫殺すだけであんなにきらきらと 笑顔見せれた僕らに拍手
天井が高かった聖堂 蝉の腹の中のように 祈りが空気を震えさせていた
わたくしの首で ジェンガをしていいよ うなじのピースが抜きたいでしょ
真円にマイムマイムはなれなくて 君が泣くならわたしでもいい
今夜使ういのちの数を決めてから スーパーに行って迷いなく買う
初雪にお湯かけてまわる朝 生まれるなこんこ かなしむなこんこ
きみはもう僕の中のきみとは違う 肌の色してどこかで眠る
ゆっくりでいいよだなんて 死ぬ様をだいじに ひきのばされる僕たち
生活の中忘れられたオイルは ずっと先まで凪いだ水平
たんぽぽの綿毛 ほぐしたこともあり わたしやさしくなんてないです
傘の骨折りたたむとき 血まみれの獣折るよう 手が濡れていく
包装紙剥ぎとるように私の脚 を持ったきみの前で空箱
わが母はぬくたい楽器として 産んで音が出るだけで 愛してくれた
句読点うつように眠る 読みやすくしとくから誰か 開け私を
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類