からだじゅうの はてなを集めて咲くダリア
立春 エイのひるがえり
のりしろで狭くなるわたし
雪にぬれた道のような肌を抱く
なんてん、なんてんがこぼれる 受験生たちの一月
お辞儀の音を間違えて 不協和音が響く6年生を送る会
もうまつげすら疲れた かぜに吹かれる荻
タイムラプスの桜散る
朝焼けは貝殻のうちがわ ひらかれる営み
キスをして をしばなにして
なにが足りなくて烏
もうおぼえてないきもちが 水面にあって軽率
トンビにとられてもいい本を読む
友と書くとき 二対一に分かれるはらいの行方
いちばん可愛く唇がうごく単語 話し合ってきゅうりになった
お元気ですかわたしの爪はいま緑
これ以上句点を打たないで 穴からなにか見ている
スカートに血がついていて そういえば刺された気もする
嘘をつかれました横たわるがんも
ピアスの穴から突き抜けて 裏がわまで愛すよ
平たい月だ レジャーシートは捨てて帰る
泳ぐ魚はおもちゃでいいな 心臓があぶくをたてている
約束は遠くでよろしくやっている 稲穂と並び揺れてたりする
こっちと思った方が正解だと 教えてくれた 花火を持った
ホームを吹く風は 人のかたちをしていた
雨の日の唐揚げのじゅわ
バッタの脚かげに残す記憶
蝉があと三回鳴いて ひき上げる麦茶パック
妹の眉毛をととのえてやり知る秋
私だったもの湯船からすくう度 透けた存在を信じている
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