よれよれのパジャマを吊るす 天秤は光の中で傾いている
つめたくてくらい場所へと 帰るとき横断歩道は魚の形
サプライズの予兆のような踏切の 音がゆたかにわたしをつつむ
オレンジの光のなかで立ち尽くす あどけないまま燃えてゆく人
耳たぶを縁取る朝に揺れながら 七つの海を越えようとした
老いていくままに見つめる 夕焼けを鋭く齧る連なった山
街角で馬車を見つめる人の頬 優しく裂いた風の国籍
さえざえと鼻の奥へと流れ込む 冬の匂いに傷つけられる
ブラジャーのホックを雑に 留めるときあなたの息の ひそやかなゆれ
白色に整えられた構内で 出口とガムの汚れを探す
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