蛍光灯ほろりほろりと泣いている
169センチ62キログラム 実物大の孤独
体温をぺりりと剥くわ春のゆび
蝶として生まれた光があるという
「信号機、 揺らいではだめ 揺らいではだめ」
砂浜もくしゅりくしゅりと 泣くのでしょう 夜に マッチで火を放つ時
不知火は モールス信号らしいのです 一千年ほど・点滅中・です
博物館 ぬるん、と揺らいだ骨の影 もうないはずのくじらの瞳
さくらを頬張る鬼に抱きつく
シャーレにてぼぉと 震えるぼくの星
どうしても内から零せぬ泥があり 針を通すかケモノは ぼくらは
柵越しにヘッドライトが 千切られて 星へと還る 星へと還る
すりつぶす蛍光灯のこどもたち 最小単位の星になるまで
透明な水槽にまたことばを放流
ひだまりに 灼け落ち溶ける紋白蝶 はんみりみり、と のこしたきらめき
春風を束ねるリボン 募集中
あのひとは 風に名前を分けたらしい とても透明な、響きだったという
タッタララ どうだみてみろ このおれの やらかいにくの 醜いところ
子牛は 寒さを 悲しみました
「ペンギン」は いつの季語か答えなさい
迫り来る桜前線 ちょうどいいね、 今日の生姜焼きの味付け
苦しみを角砂糖としてたべる
ちゃぷりん とゆっくりこの身を沈めたら 私の裂け目に白湯が染み込む
秒速で消したぼくらのため息は プールの水底 塩素のかたまり
いつまでも かえってこない やまびこを 待ち続けてもう 三年経ったよ
星の決壊 なみだが枯れて やっと砂漠になれる ときみが呟いたとき
帰りの会 ひとりで 海に シオンを ささげる
蜜蜂の針に憧れているサボテン
厳しさはわたしのそとに飽和して それでも花束贈呈します
さびしさに 疲れて 夕陽を たべてみる
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