白息に 白息の相づちをうつ …このまま夕焼けまで歩こう
打ち明けられず 肋骨の中を乱れるモンシロチョウ
毛糸のような口笛が 寒空にほつれた
満員電車に陽がさすと みんな 焼かれた埴輪のようだ
飛行機の離陸が 陽炎を剥ぎ取っていった
家出のちびっこ 木の頂に 一人乗りの三日月だ
雑居ビルの屋上にある 夏休み
ここは麦畑の汀 孤独に耐えて ギシギシと ボクは カカシになっていた
虹の足元あたりから 歩いて来る少年 こふ こふ にじの咳をして
校庭を友と眺める 積雪の底にのこっている言葉 僕は眺める
俯く僕の脊髄が すうすうと 青空になる
魚の世界に 齟齬はない 冷たい海に、齟齬は、ない
草原の匂いを泳ぐようにして 獣になりたい
眩しさは まぶたの おもたさ
三日月の端っこ ほおほお 虎落笛
真夜中の交差点では あか あお きいろ しんしんとJAZZ聴こえます
とおくの国の 歓声や怒号や悲鳴は そよそよと夜風 電線 ゆら ゆら
空だけよ 器をもっていないのは
夕暮れのチャイムに 音源は存在しない
丘の向こうに海現れて 丘を越えると消えた海あり 丘の向こうに海現れて
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