海苔巻きを買う帰路後ろ振り返る 居たのは過去の私だけです
弁当のドレッシングが漏れている 浅い焦りと相模線、朝
「病む理由:考えすぎ」でも考 えるだけの葦です人で居たいの
慎ましく生きているなら君みたく いやな女に恋しないだろう
血の路がひとすじ便器に続く午後 これですべてに説明がつく
恐ろしくぴかぴかおでこの女の子 マスクの下も光ってほしい
啜るよにフリスクたべるおじさ んのカフスボタンを眺める車内
ロマンスカーすまして田圃を横切 った当たれば死ぬしかない速さで
水をのむ のむだけのんで放置する 体任せが多すぎる夏
歯みがきもせず九時に寝た十二時 に今日が死ぬのを見たくなかった
永久じゃない夜七年も好きなひと 終電気にする、下北、カラオケ
プリクラのまきちゃん笑って手の ひらにまだ居る友達やめた今でも
洗顔を忘れて布団に入ったら 夢の中でもふたえのわたし
雨だけど舞浜ゆく群れ白鳥 のようにとにかく京葉線で
おじさんが踏んでたコートの端 っこにねずみみたいな体温移る
乗客が降りて揺れてる羊羹に 似てる小田急ねむたい人たち
ラジオ聞く風呂の中では パジャマ着てないから へそもリスナーである
神様を信じてるからあの人は 結婚できない電話はしたい
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