他愛ないお喋りだけが好きだった 風呂の隙間に風が鳴るとき
こうすれば空が明るく見えますよ 青い絵の具を爆弾に混ぜ
浅い夢だから忘れないと誓う きみが作ったすみれの指環に
砲撃を受けた街でのインタビュー 私はお米が上手く炊けない
越して来て 地方ニュースを 見て笑い 風呂に浮かべる小さなあひる
自炊をさせる気のない極狭の キッチン台でネギ刻む夜
午後七時 本初子午線飛び越えて LINEで送る自慢たらしく
のり弁の湿った甘いおかかだけ 枯れた芝生に敷き詰めときたい
平和で山田がアガったその時に ミサイルが飛ぶ 音も立てずに
豆球にした部屋で夜眠ったら 夢の中には大きなあんぱん
特売のみかんゼリーの底からは 淋しい爽やかな気分変調
ファミレスのパフェが 関東ローム層にも 似ているし ハゲにも見える
もうちょっと フレキシブルに恋したい ガスト帰りに海寄る感じの
姪っ子の赤い風車は軽く 叔父の頭の薄い毛を薙ぐ
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