雨の漏る貧乏高校体育館 水の染みはもう消せないハートに
曇りから雨に変わるの聖五月 その瞬間に香る芍薬
劣情に塗れたあんたの見た夢で 名画の胸はどうなってたの?
つばくらめ 荒野に 目医者は開いてるか
白玉に練り込んだ抹茶粉が 薄緑になるのを見守る昼
瞼閉じ なにかがおもいだせなくて 優しい雲を眺めて眠る
英単語帳の使用感で競った夏 学年一位の青木は未使用
方舟に乗って世界の果てへ行き それでもきっとおにぎり食べたい
マーブルに焼けたケーキは妹の 一言で呪いの紋様になる
地下一階 閉架書庫にて 死んでいた ヤモリを水辺の石に載せとく
君になら罵倒されても構わない そんな思いを小瓶に詰めとく
都会から来た子が買った 富士の水 夏の濡れた岩の味がした
ばら撒いたはずの 思い出 ゆっくりと 五月雨式に蘇ってる
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