時刻表の三十分の空きを見て 君と話すと決めた夜です
死んだらば海に流してと 無理を承知で妹に頼む
告白を早くしろとか青田風
遠ざかる汽笛の響き佐倉炭
十年も貫く嘘さ仏の座
すぐ領収書を欲しがる ような形だけのハグ
じゃんけんに負けて あげたの水温む
右ゆけば止められる恋白あやめ
来世は雲になろうか縁涼み
ついた嘘なかったように虹かかる
あやめ草君が可愛いと いうから鴉は可愛い
ミサイルが去った とたんに地下静か 母は子を子は母を抱く
夏鷗戦と知らず湾に舞う 戦禍広がるマウリポリにて
破壊される戦車の屑を つまらなそうに鴉が見下ろす
ぱくぱくと地球の終わりを 伝えるか忙しく泳ぐ初夏の鯉
キエフからキーウに呼び名変わる 間にも命は果てていく
梅雨入りし飛行機雲も重たそう
ラグビーのボールみたいに転がる 私の恋はトライを知らない
顔よりも目に焼き付いた夏帽子
信号が赤から青に変わる間 君は十年後も好きかと聞く
3つ数えろとか言われている 間にも魂は汚れていく
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