まだ少し しゃりしゃりしているかき氷 溶けて仕舞えば楽になるのに
本州の端に咲いてた鮮やかな 風車 からから 恐山からから
あの人が幸せだったと言っていた それが嘘でもいい 恐山
ようやく牛を作ろうと 茄子を買い まだ居てほしくて 煮浸しにした
さりげなく咲いてた花に 神話から 取られた意味があった寂しさ
泣き顔を覆い隠した君の手に 見知らぬホクロが一つ増えてる
あまりにも 微妙な趣味をしてるから 四捨五入して「散歩」と答える
あの人は精霊馬に乗って来て その湾曲を自慢するのだ
美しい仏壇だけが鎮座した 長屋の隅の焼け焦げた床
八月の熱波をくるりと着飾って 金魚の浴衣がいま泳ぎそう
台風が来る前だけの爽やかで どこか苦しい香りがしている
またじわじわ固まりゆく瘡蓋に 少しの花模様を見つける
人のない校舎に風が吹き抜けて 夏の青さを語る 一瞬しか ない
冷房の排水ホースに住む蜘蛛に 家賃の負担を迫りたい朝
やや重い入道雲の真下にて 打ち上げ花火を試して 消す、雨
艶々の受話器が廊下で構えてて よっこいせっと祖母は呟く
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