幾千の雨が不時着するように 不意に街へと降り立つ僕らは
惑星の残像なんだと知って以来 時々嘘をついてくる光
朝一番のあくびみたいな人だから 手首の傷にも気づかなかった
君の背に翼をむしったような跡 過去には触れない約束だった
ヘッドフォンを外せば 世界が逆流入 僕対僕でない人の街
例えばネコ、 生きてるだけで撫でられて 気づけば私、 100年は雨
春先の風のふくらむあの頃は ページを取る手が止まらなかった
ご遺体と向き合う 人でも物でもないあなたが とても美しかった
青空に 君を浮かべる僕と 戦争を浮かべる祖母 飛行機雲
結局は誰かが不幸でない限り 光の強さを誇示できない街
涙の数、強くなれるを 鵜呑みにして 三振しても打席にいる君
干上がった海で溺れる朝のよう 片腕のないあなたに抱かれる
100年後も 君の伝記の片隅で 蛍光ペンを引かれていたい
何者にもなれるを毎日切り捨てて 残された葉を未来と呼ぶの
力強い歌声だったね 違うよあれは 身籠ったんだ、17歳で
社会との距離を取るかのように海 きまって逃避のためだけの海
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