何書いて何を書かないままなのか 把握しないでそのままおひるね
夕暮れになるまで ぶらんこ漕いでいた 大人の事情を知らないでいた
モニターの中にあります パンドラの箱は とにかく場所を食うから
転校の後にも友であることが どれほど貴重か知らないひぐらし
無駄なのに ロマンティックな死に方を 模索している十七の秋
花柄のハンカチ右手に振り翳し 革命ごっこで遊べたあのころ
いつまでも私の犯した失敗を 晒す町内会にまだ居る
見え透いた嘘だ そんなの解ってる だから高めの梨を貪る
葬送を見守る鴎の群れが鳴き 海に溶けゆく白いあの人
躊躇わずバターをごとんと放る君 テフロン加工に広がるしあわせ
灯台の光が流れたその先に ある学校が僕は嫌いだ
やや少し涼しくなってきた朝に 余った水まんじゅうに 孔をあけてみる
アレルギーでも入れるか桃源郷
湿った正露丸の匂いが 広がる引き出し 晴れた日の長い まつ毛
ふるさとで 育った葡萄を食べ終えて わたしの帰る理由はもうない
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類