雨の日は、 むきゅむきゅ靴が鳴ってしまう 眠らないまま 生きていけたら
わたしたち夏の検体 すごかった、 ただすごかった暑さを生き抜き
徹夜って句跨りだとおもうから ゆるく甘噛みしている、午後を
気づかずに笑ってたけど 彼のするたとえ話は すべて詩だった
気持ちとか わからないけどいいですか あなたの花瓶として生きていく
間違った話を訂正せずにいる 着衣水泳みたいな生き方
わたしたちこんなむきだし 景色以上絶景未満の海をみている
うっすらとした死にたさを打ち明 けてもらった夜にはじける荷物
冷たさをどうして青と思うのか 高額当せんのせんはひらがな
でも無職やからと友は会うたびに 言う会うたびに言う ねぇ桜
ふかふかになった林檎を砂糖煮に したあと祖母は怖いと言った
絆創膏剥がすところを見たがった みっちゃん、今も元気でいますか
詩はいつもひとりで生まれてきた ような顔をするから油断できない
白色のカラーボックスで殴られる ような眠気が3限にある
鈴虫を静かに潰すようにして きみは美大をやめると言った
特にない、やることもない 公園で火曜の方を犬と見ている
持っている指輪を全部はめてみる 夜を奇妙にやり過ごしている
信じるとは、 想像力を働かせないこと 揺れるイオンの3階
母のヒス父のヒス子の花疲れ
父親が私をあなたと呼ぶ度に 桃をサラダに入れるなどした
段々と破滅を望まない方の 私になってひらひら泣いた
もう会えない 人がいるっていいことよ、と 祖母は巨峰を剥きながら言う
じゃあ逆に何ならできそう?って 聞かれて手鏡2枚買ってかえった
それぞれに怖いと思うCMがあっ てじゃあねにまたねと返す
風のひゅー炎のぼわぁ水のじゃー 人にはなにがなにができるの
ありえない、って どこまでありえるんだろう 海にもレビューがあるんですね
転生に臓器は含まれないらしく ぺこぽことペットボトルを鳴らす
アジフライの形に肺は膨らんで 今なら好きと言えてしまいそう
起きた瞬間 今日はもうだめだって分かる その日のぶっかけうどん
BLTサンドをスッと切るような 別れ 言葉が鋭利で助かる
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