空き地には土管もないし 猫型のロボもいなくて 僕だけがいる
君がいた駅を見ないふりできる ようになるまでまだかかる夜
思い出を可燃と不燃で分けていく あなたがどっちかまだわからない
働きに行く人波をさかさまに ゆうゆう泳ぐ喪服のあなた
嫉妬深くやきもちやきで寂しがり 猫じゃないです、父のことです
ワッフルの部屋を一つずつ壊す
狂うにはみずみずしすぎる通学路
気に入った靴も私を傷つける
いつか行きたい 場所の名を書き連ね あの子は先に逝ってしまった。
以下同文に秘めたあたしの三年間
窓際で呼ぶねこ来るねこ眠るひと
僕たちの祈りが傷になる世界
姉さんと私を呼んだしわくちゃの 手から受け取る折り紙の花
スケジュール 君の名前に二重線
減っていく石鹸が つなぎとめる明日
寂しさを埋め立てて咲く沈丁花
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