多分すべて 違法アップロードなんだ 君も、君と見たあの夜桜も
月光が、 アルツハイマーの祖母を照らす 僕が覚えておくからいいよ
いつか街は 遺骨の君をそのままに その復興を讃えられるだろう
段落に番号をふる 窓際の君は小説そのもので、 0
満員の電車にいると 代えのきく誰かになれた気がして 安らぐ
神様の不在が明らかな街で 誰もが課されるハートの自衛
へし折られたあの信号機の 本当はあと数秒は維持できた青
白球以外99%青 違うよ、全てがCMの渋谷
ずっとここで 待っててあげるからと君は 最後の一機を浜辺に埋めて
明日を見て一旦栞を挟んだら そこで世界の呼吸は止まる
瞬きでその都度街を遮断して 幾つも全てを見逃してきた
命ごとファストフードのように春
月までの距離を教えて Alexaに問えば 「心中をお考えですか?」
美しい花嫁姿を忘れない 延長コードを、その首筋に
五の鋭に星の形は決められて 100年経っても疑えない国
名作はあなたと観ずとも名作で 海はあなたが泣いたから海
恋人や彼女や妻や母ではなく あなたの義肢としての毎日
君にだけ壊れるくらい課税して さよなら僕の総理大臣
充電が1%を切るまでは 春の終わりに気付かない街
僕たちの時価総額が落ちていく 優しい先輩ばかりの国で
輝きは相対だから 東京の夜景に瞳を凝らせば尸
東京で、 あなたと降らせるはずだった 雪を名前も知らない誰かと
世界地図、 何度描けど不揃いな 僕らの淡いあの国境線
どこまでを 時雨のせいにしていいか あなたの骨が見つからない今日
要塞を抜け出す夢は 要塞の外で生まれた僕らの空想
黙祷さえ、倍速にした月曜日
その夜を夜だと感得できない蝶 幸も不幸も、みんな解釈
信号が変わるのを待つ僕たちの 待つこと以外は異なる人生
明け方のコンビニトイレで 産声を、ママは私の口を塞いで
誰もいない ワンルームには僕もいない ただ陽光やローテーブルや
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