並木道 僕と同じ名の犬が 僕より幸せそうで嬉しい
落ちていた手帳を拾う明日九時に ハチ公に行く予定ができる
うろこ雲 空が大きな魚なら 私はきちんと貝になりたい
午睡する毛布に割り込み君という 浜辺で溶けるさざ波になる
生活が折り重なって街になり 折れ重なってできてく地層
私より上手に社会の荒波に 溺れることなく溶けゆくわたあめ
生きるため子宮を取った母さんが 落ちた椿をずっと見ていた
秋刀魚の骨をまっすぐ残す人の シンカーみたいな箸の持ち方
点滅のリズムに合わせて瞬きを すればまだまだ緑の信号
花粉から始まる恋もあるんだと 君が常備するポケットティッシュ
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