近づけば逃げゆく砂鉄 とおざかれば後追う磁石 雨、やんだね
夏シーツはためく庭を 君の影を とどめておいて 細い額縁
水引の花のこぼれて木婚式
ほんの少しかびても平気 明け方の街を かき混ぜたらミルクセーキ
さよならの雨のぬるさを思い出す シャワーヘッドの位置 下げながら
薄曇り ひらいてとじてを繰り返す 遊びであって朝は窓際
三月の膨らまなくてもパンの匂い
さみどりの部屋を一輪挿しの影
(フィルム) 朝焼けの映像に声をあてがうの 二分の一倍速の海鳴り
土曜日の古喫茶店の駐車場 ひとしきり泣くつもりの半ドア
不機嫌を受け入れて日曜の朝 輪切りにしたいだけのアボカド
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