半額のシールを貼られてなお残る 菓子パン、俺と海を見ようぜ
今、ラストティーンが終わる 教室を思い出すとき音がないこと
好きじゃないのに冷え性の指先を 握ってあったかい、とか言うなよ
また恋を言いかけたけど冬銀河
過去形の語尾ばかりいう口つきを 見てこれからが無いとわかった
ゆっくりと首を絞められ蝶凍る
六法とかしょせん片手で掴めるし
摘蕾をやめてしまえば僕としか 生きていけない果樹園になる
冬うららお墓は小さいほうがいい
やめてくれ青の澄明のみ映る 眼で過去形の恋をいうなよ
寒椿 我らの死後の世にも雪
黒板にいびつな円を描いてわらう あなたの瞳の淡さを知らない
取り消さないようにするため 郵便で
ため息が喉を通過するたびに ガラガラ観覧車は夜を回る
音速を声は超えられないんだよ これほど文字が喋らなくても
壁打ちの音が遠ざき私たち 雪の一部になってしまった
振動数等しい音叉 眼裏の景は見えるよ共犯しよう
色が薄いから夢だって分かったよ あなたの首を絞める真夏日
加害的忘却 僕の追憶に やけに案山子が入り込むんだ
三分後いつもできてるカップ麺 なぜだか僕は君じゃないのに
人形を抱え込んでる人形を 抱えることしかできないでいる
バス停に眠る二人の少年を 起こして散ったひとひらの白
約束を忘れて生きていることの 手首の白さが憎く眩い
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