霊柩車を前に長野への高速 後部座席で僕はまだ孫
ドーナツの曲がり角を過ぎた辺り
レタスを見ながらキャベツを買う
引き出しに折れたプリント 飛行機雲が僕の影をなぞる
まだ居ると思ってふりむく 恐竜を知らない シーラカンスふりむく
歩道に打ち上げられたイチョウ 雪に隠れなければ春まではきいろ
ずっと張ったままのふくらはぎ じょうろはしばらく使ってない
過度な沈黙と焦りから 剥がれてくる壁紙
ぽん酢のぽんで変身は任せて
閃きの門から出られない人
ぎょうにんべんに連れて行かれる 人たちを見たことがある
いぬと話せてもいぬなんだと思う
今日の余力で炊くご飯 布団をかけてくれる味噌汁
午後になれば日が当たる 空席の車椅子は必要とされたい
魚をくわえたどら猫とすれ違って …… 何もできなかった
おんなじあたしでも まあるいのがおすきみたいね
そっと背中を押してくる トイレのふたの解釈
ゾロ目に一足すメンタルが 辛を幸にするのか
金が無いなら帰国じゃ吉田
積もらぬ雪は 降ることが人生でした
純喫茶 純文学 天然水
バナナは生きる理由に入りますか
寒さに耳をひっぱられたまま帰る
スーパーで生きる予定を立てる
まだ意識のある片手袋
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