そっと押す問診票のボールペン 注射器めいた動きしやがる
顔文字や口癖でなく句読点 それでこれほど母を感じる
肩書きを持たない日々へ 想い出を好きに名付けた 十一月へ
ボタンにも覆せない地位がある 道端のきみ どこに居たんだ
方針が決まらず開く地図アプリ 現在西を向いてるらしい
友人が帰った後の淋しさは 冷めた陶器に突き返されて
何度でも砂糖要るのと聞いてくる 母の前では変わらず二つ
他人との関係性に疲れたら 配電盤を覗きたくなる
今日のこと話す相手がいないから 代わりの葱に刻みつけとく
市松の黒を踏んだら負けだった 何の模様も無い世を歩く
夜九時を野菜炒めで賑やかす 一人分には多すぎるほど
雨上がり道路のひびは空色で 多分世界が綻びている
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