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玉ねぎの薄皮を剥ぐ
友人に彼氏ができた時みたいに。

たんぽぽの数を数えて
すれ違う小指の仕事が
増えたり減ったり

バイバイとよろしくねを観測して
どちらも冷たいことに気がつく

春になる気配が立っている屋上
切り裂くような世界の輪郭

春の日は少し怖いくらいでいい
ウィルキンソンの強炭酸とか

街路樹と握手する時、
君の手を思い出してる私がいます

縁石に乗って歩く日、春霞
生春巻きがツルンて、笑う

君の手を取って走って流れ星
お醤油を溢してテーブル
染みは取れずに

おまえんち
ホントに行きたくなさすぎて
タクシー使う
三千払う

触れます。
その手その指その爪に
傷跡みたいな深い皺にも

約束をしよう、明日のわたしたち
早く起きたり、わたあめ食べたり

泣いていた顔を見ていた映画館
母の顔を横で見ていた

棘のある花かもしれない
コンシーラー手放せなくって
自惚れたって

早起きがしたくないから転職を
黄色い蝶々を追いかけるみたい

ゴムの木の鉢にジャーキー
手探りで食べる午前は
犬のお気持ち

人間になって身体が重いです
春木漏れ日で胸も痛むし

制限がないから帰り道が好き
永遠と遠回りがしたい

しょっぱくはないから
ここは海でなく
君のこと食べない
私、サメでなく

考えています
君に散歩への誘い文句を
知らない駅まで

声なんか出なくてもいい
片寄せる耳があるなら、
寂しいけどね

輪郭が広がっていく
美しいものも全ては理解できない

溶けなくてずっと残る雪の跡
君の形のあたたかいうろ

いつか透明人間になる人が
飲む珈琲に少しのシロップ

読む本は自分で決める
魔法とか超能力をずっと信じる

今からは会いたい人に会いに行く
切符を探すお土産売り場

好きな声、
好きな動きだ、
好きな人
そんなのいっぱい、
いっぱいいるよ

ちっぽけな千円だけを積み立てて
それでも無駄じゃないって言って

お風呂とかお布団とかも
陽の当たる時間が好きだ
夢みたいで

冬の息弾いて光る輪郭が
生きてるって感じがするね

どんな道なのかは足の裏で知る