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ぱんのような足
を
もちゃもちゃ動かして
従兄弟は春のひざしをめざす

むぼうびに背中をあずけ
きみといる日々へ
射し込む萌黄のひかり

親友とわかれて
坂をくだる日の
あっぷるぱいのような夕暮れ

どーなつの穴から覗くオリオン座

叱られて
ちんまりしゃがむ
いもうとの
しょうにゅうどうのような沈黙

春暁のひかりを齧るシュレッダー

ぽにゅぽにゅと
うさぎの耳
を揉みながら
もくれんの花ひらく日を待つ

むーみんを抱いて
さくらのゆめを見る
きみの寝相はバンビのかたち

まふらーをじっと
巻かれている祖母の
ねむる仔ぐまのようなよこがお

花束を抱くとき樹木めくあばら

心臓をひらけばいちめんの無花果

せっけんの泡
ほむほむ
と生みだして
神話のようなきみの手のひら

恋を終えたセーラー服
を
ぬぎ捨てて
ぐんじょう色にはじまる脱皮

ローファーの底
すこしずつ擦り減って
そつぎょう、までの日々へ夕映え

ひかりとは
宛て先のない手紙

取り込んだシーツの
海をたゆたって
ぎんがを知っているねこのひげ

おうごんの
うぶげに
頬をまもらせて
土偶のようにいもうとねむる

くろわっさん
わしゅわしゅ齧りきみ
と見た星のすべてをおもいだす朝

せんめんだい
覗き込むとき
にんげん
の
ひとみは永遠をひかる新月

洗い終えた
犬のたましいごと撫でる

斜陽転じてぼくだけのぺるせぽね

祖母の骨
ひろう
右手のよどみなく
思慕は五感のようにあやうい

なのはなの新芽を
なでてゆくように
きみがはじめて下の名を呼ぶ

泣き終えた後のすっからかんの空

かいじゅうの
ように
驟雨をなぎたおし
きみの待つ駅まで駆け抜ける

まがたまとして終戦の日をねむる

かーてんの
裏で
ふくらむ秋の陽の
焦げたバターのようなしきさい

ぺんぎんの
ひなを
ふたりで見つめれば
むごんに春のひだまり満ちる

いぬの鼻の
いつもひかりを吸うかたち

あきかぜの波に
寝ぐせをそよがせて
こぐまのようにきょうだい走る