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終電にきみ
を
見送り帰る日の
ひょうりゅうびんのような星空

羽を捥ぐ
骨
のうごきを見つめれば
此世の森に揺れる野葡萄

くろねこの瞳は
海にちかしくて
寄れば孤月を鳴らしたりする

溶化してゆく
くるしみを脱ぎ捨てて
きみはピーターパンのりんぷん

エロースに射られた
胸
がおもたくて
かみつれの海だけをしんじる

青春の死因
を
語る窓にいて
ぼうくうごうの昏がりが来る

火花からひばなへ
うつるたましいの
ほたるの舌に似たあさみどり

こゆびから生まれる
星のやくそくを
なぞるふたりは神話に変わる

とーすたー
ぽゆん、と弾け
きみが来る
火曜はいつもくもりのち晴れ

花がひらくとき
の
彩度で語られて
えいがは金のオルガンとなる

天をやぶる
雲雀の群れの
それぞれに
とうしんだいの臓器を抱いて

あさがおの
鉢を掲げて
かくめいの序章、
みたいに振り返るきみ

陽だまりへひたす
二対のてのひらに
プリマヴェーラの白みちてゆく

ふるーとの運指
を
示し合うように
やまいを明かすしょうじょの味蕾

手はいつも孤独の器官
分かち合う
ために
花環になるわたしたち

家系図も
血流もみな分枝して
いのちは乳白色のようみゃく

座り込めば
つぎつぎあざみの咲く
膝
をかかえて祖父を病棟に待つ

ちゅもちゅもと園児はつどい
さかみちを
だっくすふんどの足どりでゆく

斎場
へ
影を蹴りつけ向かうとき
ちきゅうはひかりまみれの樹海

ひまわりの道を
素足であゆみつつ
たがいの死後をかんがえている

いのられるための
玉座に降りたって
かせきってどこまでもさびし い

抱きしめて
　みれば
あやうい自我に棲む
ちょうがいこつはがらすのひつぎ

なつに至る、までの
むげんのあぜ道を
たゆたう えふぃらくらげの君だ

絵日記をひらけば
夏至はあふれでて
すいかのたねのうすあかい跡

ちきゅうから
落下してゆく夜に焼く
レモンマフィンはすみわたる星

野ばら
たおる
手つきできみを攫うとき
たたずんでいるヤハウェの微笑

ろっこつのかたち
に
鳥をまもるとき
けやきの喉はよくしなる　弓

じゃすみんの風
に
ねぐせをそよがせて
きみはイドラをおしえてくれる

くもを撮る
とき
ぜんしんで背のびして
天のあわいへ吸われゆく友

炎天の底
の
小部屋の海にいて
ねこのゆたかな寝相見ている