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約束を守れなかった言い訳を
リハーサルする
ハチ公前で

人間は神様の描いた
パラパラ漫画の登場人物なのかも
と今思った

旅立ちの
ホームに佇み二人きり
スノードームのように
雪は舞い積む

草も木も
萌え出す場所をさがしてる 
待てば必ず春は駆けくる 

 冬花火青く小さく咲きながら
いつかはじけて夜空を焦がす

雪の朝
玄関前に足跡が
キタキツネからの贈り物かも

母さんの逝った日咲いてた
アマリリス
天窓の空見上げていたね

君といる時がそのまま続くなら
ほしいものなど何もなかった

ホームにて手をふる君が霞みゆく
名残の雪も降りやまぬまま

白黒の地図がそこだけ光るのは
君の住む町　色まで付いて

極寒の雪原の真ん中の
ナナカマドの木
その赤い実の色に
心が温かくなった朝

人混みに揉まれた日々が
遥か遠くなり　今は
雪と静けさに抱かれ生きている

人生は長い夢だと思いつつ
それでも
毎日目覚める
瞬間が愛おしい

雪の窓見つめ
誰に問う
心はあったの
無かったの

夢の中でも願う
あなたを知る前の
わたしに戻りたいと

深い海底のダイアモンドは
ガラスのかけらの砂粒より
輝かないよ　きっと

私が消えたら私の覚えている
母の声は
どこにいってしまうのだろう

寒さには弱いのに、帰ってきてし
まった北海道、まいっか、心は温
かいから

天窓に霰降り積むパチパチと
「ここまで来たか」
「ここまで来たよ」

黒髪が一番いいわと染めたのは
空に飛び立つ三日前

都会での満員通勤四十年
北の大地に戻り二月