旋回をする鳥たちの一元論
紫陽花が枯れる 母から冬になる
夜空には荷が重すぎる sing a song
永遠を知らない人の自由席
もらうなら マンゴスチンのような 部位
飛ぶふりをしているカラス 朝はまだ 壊れていないわたしの心
閉園後の 動物園の静寂 夏だけが 忘れられたように 息をしている
背骨だけ浴びる静けさ生卵
つかもうとすればするほど 崩れゆく 灰には灰の輪郭がある
いつまでも子どもでいたい コンビニの 前の空き地に降る流れ星
喪服にも未来はあって ゆでたまご割るときの手の やさしさを知る
戦争を知らない私が戦争を 知らない娘に伝える戦争
あんみつで軌道を逸れる母の指
口は父目は母に似て夏休み
桃じゃなく図書館を剥く 生い立ちをしばらく眺めて 図書館を出る
追われても 追われなくても来る明日 伸びた分だけ 爪を切る夜
手のひらを返す 花火の音だけが聞こえる 会いたいなんて言えない
本音だけ小さく丸めて祖母になる
クロスワードパズルの穴を 埋める豚
生卵上手く割れずに夏が来る
いい人のふりをするのは もうやめた 転生前夜に降る青い雨
いつまでもホモサピエンスでは いられない 明るい洞窟にも影はある
叶わない夢の方の夢ばかり見る
レタス剥くモザンビークの死亡率
声だけが知っている夜の静けさ
梨を剥く アドリブに毛が生えている
ゆで卵をうまく剥ければ生命体
びしょ濡れのぬいぐるみ 真夏が軋む
善意にも程がある目隠しをする
月までの距離の分だけ手を挙げる
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