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夏果てて二度目の引退宣言

扇風機に寄りゴーカート待ちの列

空き箱のための空きばこ夏の宵

春の闇港町行くバスの揺れ

水筒の塗装剥がれて休暇明け

屋上で春光と食うにぎり飯

落葉山幼稚園帽子のベッド

吸入の香り一人で吸いながら
青春のホテルに戻ってく

寝息する学校コンサートうらら

解答の
『模範』に満足できない日
人が教える
意味を知れたの

おりがみが
おりがみとして
素敵なら
切り込みぐらい
あってもいいじゃん

居間で一人通学時間待つならば
秒針とでも歌ってられる

辞書一つ
リュックに入れただけなのに
忘れ物無い気になる魔法

マナーモードを
世界を知りたくなり外し
自由になりたくなり戻す
模索中の青春

寝室から台所への
暗く長い廊下は
祖父が歩くときだけ
明るい朝の軋みに変わる

時間割永久変更
とか書いて
気取る教師と

会話がしたい

全員と目が合わなくて話さない
主任を見てる担任が好き

桜の中
ランドセルは
入学の子の有り余ったちからで
めいいっぱいふりふりする

ぽっかりと空いた心を埋めるほど
強くぎゅーっ　てされる温もり

湯ざめして
親子のにらめっこ終了

傾いた音楽室の机の上の
振り子式メトロノームは
焦る私の心を
不器用に整える

祖父の書斎は
サンタクロースと団扇が
一年中共存してて
季語なんてない

目借時
机と頭ごっつんこ

冬銀河なにかに熱中したい歳

数学の自分の解と本当の解
無いかもしれない間違い探す

頑張れも無理しないでも愛だから
やっぱりお金には変わらない

カコならば
なかったことにしていいの？
更新されるバスの行き先

一分過ぎ百円増えた駐車代
私の心の甘さがバレた

弟の粘土細工のアブラムシ
キモカワのってこういうものだ

期限切れ目薬並ぶ枕元
あれもこれにも思い出がある