にーちゃん、と お前に呼ばれる夢を見た 母のお腹に落とした夢を
今日だってコートの先に君がいて 僕にボールは回ってこない
忘れるな 僕の殺したあの夢を 忘れるなよとぼくが睨んで
うしなったうたは 戻ってこないのに 君の唇今日もふるえる
おれという人を知ってる君がいて わたしは今日も生きていけるよ
青い灯に包まれているおれたちに 未来はあるか少し怖いよ
黒板に君の軌跡を見出して そっと上書き保存をしたい
あおぞらは傷を抉って泣き出した 「さよなら」 すらも言えないままで
ぷあぷあときらめくくらげ海の底 きっと魚の花火なんだね
ヨーヨーのこよりをつくる 午前九時 子らの歓声どこからだって
死、という場所から一番遠かった 君から奪われていくの 夏
先輩の声を一生聞かせてよ 「あほ、おーうそや」 言えるわけなど
気の抜けた炭酸を飲む日曜日 人混みの中君を探そう
舗装済み道路をずっと歩んでる 入れる穴も見つけられずに
青空に取り残された赤白帽 ゴムを掴んでぼくはとびたい
かさぶたが 未だ剥がれていないから 生きていたいね百年くらい
君の乗る電車が発車 僕の乗る恋一号車同時に始動
恋愛も友も身体も才能も 100点の君 「かわいそうだね」
「問、ぼくを証明せよ」 という文字は 梅雨のあしたに滲んで消えた
君と会う日の心拍は 十点のテストを見せる日と 同じだよ
飲み込んだ 君が煙草を吸ったから ひさしぶりだと吐き出したいよ
明日など来ないでくれと願うくせ 君は未来に会いたいんだろ
あの人を蘇らせる方法は? 背負った本がやけに重たい
檸檬色 僕の視界を焼いたのだ 苦しかったね、噛んで砕いた
I LOVE ME 胸に描いた水色の少女は 液晶画面の彼と
夢をみた 呪った悔やんだ今日だって 未来のぼくは笑ってくれる?
おかあさん ママ おふくろと 変わる声 変わらないのは手に握る赤
貝がらで波とおでんわするんだよ 白い受話器に砂だらけの手
貝殻はどこかの海と通じてる それってつまりどこでもドアー?
あの頃に戻りたいよと言う割に 幸せそうな顔してるじゃん
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