終戦を告げて午前の進路室
複雑なゆびを絡めて曼珠沙華 君がほんとに好きなのはだれ
わたくしの腕の中でも 模試の夢 君が愛せるいまを探そう
この辺にポチを埋めたの あの秋に いま銀桂の花を降らせて
まだきみに伝えていない 嘘がある わたしの母は老衰じゃない
蛍光が切れてひとつの輪となった 灯を捨てに行く日の驟雨
氷菓まだ冷やされていて冷凍庫 きのこパスタの隙間に夏が
手のひらのいのちの線を マッキーで 目立たせている弱視の祖母が
育児書もそよ風孕む時が来て 夕方五時の秋の古書店
いかにして突飛な題を付けるかが 絵画の価値だ短歌もそうだ
二十一グラムに満たない 亡骸で射手座の星の一つができる
緩やかな延命治療のミケの眼に 初めておれとの時間が映る
予備校の窓辺に処女宮 大学へ行ったら 少女じゃなくなる恐怖
微睡のなか僕だけが回遊魚
ビニールを超えて光は我に祝福は 君へと降っていた夏
大学にまだ愛されている楔
捨てに行くガラケー すんとも言わないで こんな酷暑を知らずに生きて
好きだったことにしている 平成を 藻の浮くプールに恋を沈めて
『聞く力』育みたくて風孕む
近頃はいい梅雨ですね。友だちが 出来ないぼくも一人じゃないし
泳がせた不倫が紅い鰭を持つ ちにてんてんのいぢめのように
勉強に明け暮れていた 人だけが探せる花もあるよ 馬より
制服を脱いで僕らは旅立った 「あなたらしく」の判を押されて
未熟児の体内時計も午後を指す いじめを許したあとの給食
かろうじてヒトの形で聴く不埒
「俺のため あるんじゃないんだ天国は」 犬より安いシャンプーを買う
しあわせを 知らない二人で信じてる いつか血汐の出ないままごと
死ぬときは何時も一人だ アンパンマン だからごはんはふたりでたべる
どちらでもよくなる名前を つけられて カオル、わたしの恋人として
諦めも贅沢である 鮮やかな ペンダコまみれの指を重ねて
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