髪洗う懐かしい宇宙のにおい
どうせ全部フィクション だから冷奴
梅雨明けて手前の卵から使う
自己開示したくてやめる 薫風
後遺症だらけの脳で生きていて ホースの水は車窓に躍る
短夜の本におさまる栞紐
ラーメンに海苔とけかけて夏の星
春の星酸素チューブの薄緑
遠足の友が何度も手を洗う
花陰にカレーは飯をまわりこむ
ごんべんの口のつぶれて長閑な書
蒲公英の絮の半分欠けている
皮の下が腐る桜に触れている
答弁はポエムのようで初桜
にわとりのあしのつちいろ鼓草
鶏が土を掘る音桜時
ぬかるみの日は ぶらんこがすれ違う
幸せの他はなんにも要らなくて 飛行機で見る大阪は夜
三月の醤油をはじく目玉焼
死ぬ時は家と言う人雪柳
鞦韆の鎖が濡れていて滲みる
三月のくしゃみの前の 一瞬の裏声のような 人になりたい
銅像は海を見下ろし草若葉
泣くための時間が少し要る二月
平刷毛にペンキ乾いて春茜
花冷の糸に重たいティーバッグ
レシートをまっすぐ折って花曇
石段に合わせる歩幅つくづくし
竹林をのびちぢみして石鹸玉
いつか君が示準化石になるときに 撒くね水風船の破片を
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