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クローバーを探し
木陰で本を読む
煩いごと全て忘れて
世は事もなし、かな

迫り上がる入道雲
ラムネ瓶の底の青
キラキラ去ってゆく光
拾い集めて夏

夜明け前、
瞬刻のブルー、
心、銀色の魚となり、
空の彼方に、
見えなくなった

ミリンダ
少女のような名前
小さな気泡
今も胸で弾ける

水しぶき
泡沫の虹を渡り
洗いたての車
もう走り出していた

表面張力
溢れそうな言葉
みかんの花
蜜蜂たちの羽音
だけ

乙女心も
はしゃぎだす
花日和
甘く大きめワンピース
躓きにくい浅い靴

子供らの
髪透く風は
新芽の香り
春の夢
遠くなりゆく

ちびた鉛筆
捨てきれず
君のノートの片隅に棲む

青い星
そっと掬う飛尺の名を
思いやりと
呼ぶようだ

膝の上
寝る子はひげを震わせて
春の呼吸を
楽しんでいる

翼あれど　
　　羽ばたけぬ心
花あいより
ほんのりのぞく
　桜月

胸いっぱい
薔薇　
咲かせたい
ロックの歌声響く　
夜

ポツンポツン
雨音のリズム
黒い蝙蝠傘の中
小さな宇宙の一つだと
神様はいう

青いちょうちょが
舞う先で
夢見る少女は
まだ
帰らないと言う

すみれ色のベンチ
忘れられた絵本の中
無邪気に泣ける私
カバン一つ
旅に出る

声は音の揺らぎ
繋がりは心の揺らぎ
私の想い
波となり
その小舟を揺らせ

音もなく
街は永遠の白となり
君との距離
縮めたいと願う
冷たい指先

レモンの一欠片
酸っぱさ広がって
青い春の
真っ只中
幾つになっても

雨上がり
紫キャベツにころり水玉
小さな地球に住む私
幸せそうに笑うかな

飲み込んだ言の葉すいせん花一輪