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いらないものはいらないと
素直に言えたらよかったな

栓をぬく
流れるぬるま湯
どこかへと
わたしも一緒に
連れて行け

　蛇足の月に見惚れる

ハンカチに化ける鴉

真っ青なお空に歯をたてても
紅く染まりはしなかった

死んだ魚の目に映るわたし

雨が打ち上げられた
アスファルトに
花火

誰もいない箱舟が
星の黒を漂う

今日の夕焼は君の嘘に似ていた

　酸素の鉛をのみこむ

面白かったねと横を向いたら、
窓の私が笑ってた。

夜に見惚れていましたら、
それは蝿の群れでした。

私の夢を食べたバクは、
みんな揃ってお腹を壊す。

憂鬱な日ほど空は晴天

　　月に夜を被せる

青い空を知らない赤とんぼ

今日の雨はちょっとしょっぱめ

夜の向こうは何色か
朝の隣は何色か
どちらも茜の色なのか

　私は猫なので、
そろそろお家に帰ろうと思います

今日を迎えたら
明日があると期待して
明日を迎えたら
次の明日を期待する

君が描いた青空に
透明な月をつけたす

星は亡霊になり夜は遠く深くなる

　朝を知らない月をみる

枯れたツツジの蜜を吸う十八歳

競争しよう
君と僕
どっちが星を数えきれるか

　月をバラして羅生門

　地獄から覗く月は蜘蛛の糸

　透ける月は
　涙を呑み込み枯れていく

　夢の残骸を喰らう月はメルポネ

　濡れた傘を月に引っ掛ける