おだやかな小川沈みゆく草舟も 人間的と言わざるを得ない
生涯を海に捧げた曽祖父の 瞼のふるえ 際立っている
雲行きが変わって これからウミガメが降る
本当は誰も好きじゃない君の ステッカーまみれの ノートパソコン
今僕はこんなにジャッジされる のに 地球を脱出する最終回
意地悪な人 吹きとばす春疾風
曖昧にホースは花へと脈打って 好きな音楽まねちゃった 夏
ゴムボールとって戻って来た犬が 去勢したあとの笑顔を向ける
一万円 同封されし曾祖母の 手紙の宛名違えども 開く
君のことわかったふりして 泳ぐのだ ナタデココをかき分けながら
今雲の上の王国に行っても 飛んだり跳ねたりしないだろうな
オカルトや超能力はあるでしょう 例えばあなたが髪を巻くとき
造花と生花 区別つかない あなたの半分水で私もそうだ
おどけてみせた飲み会のあと 確かな足取りで帰る 全員が
今更もう遅いと思う 次回から放送時間は変わって夕景
お祝いのショートケーキを 撮り終える 役目を果たして死ぬセルフィーユ
ラスボスから救った世界の中に 入れる所と入れない所
爆発が既に起こった星々の 最後の瞬間のこと聞かせて
誰も彼も寝息で合唱し始めるとき 泣いてるの? 公衆電話
旅先 あなたを死ぬほど 笑わせた事 指の数だけ覚えてる
ぬいぐるみ抱く細腕の脈動 人は水中で息ができない
空中都市のつくる影の中にいる 僕の上にある 空中都市が
それぞれが別れを形容したのちに 正しいと思う位置へ戻った
あなたの小さな寝息に側立って 無声映画が流れている
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