地下足袋とぼろの脚絆が 似合う はしご車が通る
寝、足りない足りない 足の先がとろけているのに
「日和ってる」 ぼやいているうち 変わってしまう
黄砂の嵐がきたら きっと、ジョン君 さっさと帰ってしまう 核の傘、手にして
若いアマンは還暦で 喜寿越えの本妻と どじょうすくいは べいじゅの股引き
ポタポタリ 漏れて陶磁器 金継ぎ工房 大学病院腎泌尿器科
宮戸川の下げを忘れて 高座を、下りちまった あらえっさっさあ
君が代を ボブ・ディランと ハモる 独りカラオケ
チェ ゲバラと 永井 荷風 夢に出てきて困る スキップしながら
終活のメモに 妻が書く 『夫』の一文字
腰が曲がったばあばの 握り飯 美しいほどの、正三角形
虚、も続くと 実、になる と、思っていたのに
下駄屋のおミツ 八百屋のスエ子 スナックのママ みーんな 寡婦
獣になった君に 会いたい夜もある
ベレー帽を被り かがみをのぞく オークのステッキ片手に
小さなミカン一つ 野鳥と分け合う タワーマンション 八階に独り
重箱の隅を 洗う
彗星を 見た方 連絡を 家で飼ってた彗星です
若気の至り中年の迷い 年寄りの冷や水 打ち上げは居酒屋で
ねぎまの鳥も比翼の鳥も タレか塩に分けられて
後進に道、譲りたくとも 土砂、崩れ
腋窩に溢れて波打つほどの後悔
井の中の 平和
渦中の人になって幸せですか そろそろ静かな朝を迎えませんか
真実でも争えない現実もある
余った線香花火よ 落ちるなら 早めに落ちろ 寒くてたまらん
複雑に絡み合う のが嫌だったのに 詮索するから
肴(あて)のない茶碗酒 杯もすすむ一次合格
矜持もなにも 生きていなけりゃ
お前さま残して死ねぬ 早く死ね
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
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