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画質よくなっても
視力悪くなってちゃ
意味ないでしょ

釣竿があれば
魚が釣れると思うのは
魚を釣ろうとしたことが
ないやつだけだ

どれだけ手を伸ばしても
届かなかった
だからこそ
また手を伸ばせる

コロナ禍に
並ぶ墓石の
傍に
芽吹いた若葉も
今や花咲く

ハッピーエンドの
小説は書けないけど
ハッピーエンドのために
小説を書きたい

「もうすぐ終わり」でも
「始まったばかり」でも
頑張るしかない

この瞬間でしか書けない
文章がある

今もこの空のどこかで
不妊虫が飛んでいる
ただそれだけで
世界が輝いて見える

涙を拭う暇もない

失恋するのも
今のうち

内定を
もらったけれど
多すぎる
提出書類に
ブイパンしそう

娼婦湧く
春の街には
花霞
行き交う影の
色は匂えど

「娼婦湧く」は
「春」を導く
　枕詞　

俺が一番好きな俳句を
詠んだのは俺だし
俺が一番好きな短歌を
詠んだのも俺だ

自分の無能を
思い知らされたその夜に
ペンを握れるかどうかだよ

おい、少年
今日はまだ終わってないだろ

必死こいて走り続けて
やっと見えたゴールテープが
実はスタートラインでした

どれだけ立派な大樹でも
枝の先では葉が揺れる

眠れない夜に

一緒に起きててくれるような人と
一緒に生きたい

いつからだろうか
賞をとるために
詩を書くようになったのは

凡人が努力だなんだと
口にするその間に
天才はもう始めている

君がネイルを
しているその間にも
ランニングをしている
人がいるということ

いつでも海水浴を楽しんでやるぞ
という心構えが
背水の陣では大切なのです

やまない雨はないというけれど
問題なのは
今、雨が降っているということだ

春は迎えにゆくもの

高望みこそ青春であり
青春こそ人生である

ぼけっと生きてたら
命の使い方を忘れてしまいそうで

足もとの
新緑揺らす
風が吹く
空を隠した
雲もいつかは

君がいる
ただそれだけで
幸せに
なってしまう
こんな僕には

春は待つもの