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春を待つクローゼットの蕾たち

旧街の小さな駄菓子屋
おもむろにモロッコヨーグル
郷愁の味

人生にゃオマケ要素が必要さ
例えば炭酸水メイカーとか

他人は他人　貴方は貴方
そう言うけれど
皆の群れから
逸れた私に
迎えは来ない

アクセルを離さなければ
あの月に届く気がした坂
バイパスに

学ばない生き物なので今日もまた
ぐいと味噌汁飲んで火傷して、

バスの陽射し差し込む車窓と
暑いから空けたがる僕　十一月

「寒すぎて十一月かと思ったよ」
「何言ってんだいその通りだよ」

金木犀の匂いのわからぬ
俺だけがギンナンばっかり神無月

おれたちが背中伸ばしてから
何度日が沈んだよ。
ゴールは此処か？

垂れてきた髪が瞼を撫でる頃
失くした恋と終に心中

はらわたはまだまだ無理だ。
でもね、手は使わず行けた。
二十歳の秋刀魚

いつの間に
天才子役に身長を抜かれてた秋
風が冷たい

今はまだ
名も無き感情「　」だけど
名付けたらきっと腐ってしまうな

いつの日かLEDの眩しさを
ノスタルジックに感じるのだろう

子供だなぁ
「周りと違う」というのに
なんか誇らしげな顔しちゃって

眠気　断りもなしに無理やりに
俺を未来へ連れていくモノ

砕かれて凝固土になった日々
熱に浮かされ陽炎となり

転がってきたイヤホンを拾う手は
有線的なぼくらのつながり

短冊と呼ぶには
少し広すぎる
ＳＮＳに願いをぽつり

紺碧の空を劈く螺旋翼
その行先に頂の夏が

無理矢理な３１字の塊を見せ
夏井氏にキレられたいな

空気清浄機の前を通る時
あの時だけの、嫌な緊張

俺はそう、
たった十六個の型で
生地を切り取り残った切れ端。

止め処なく湧くは鼻水ダバダバと
鼻ミームすら作れそうな程

知り合いが、
息子が、夫が、
お隣のサイトウさんが、
それで、お前は？

もう何度
手っ取り早い成功を夢見たことか
四月　焦燥

はぁ。
スッゲェ好みな
イントロの後に続いて
畳み掛けてきた、言葉。

蕾から散って大地になるまでの
季節以外を、愛でたい。　俺は。

朝、電車。
冗談みたいな柄パンを
履いてるからか隣が来ない。