春は僕の星を探している港
指切りを ほどくたび 虹が生まれる
鳥 眠り 風の冠 花曇
穏やかに父眠らせてノースポール
自画像に大きく傷をつけて冬
紫色の北風に叛かれる
休符に息 吹き込んで 冬の鷗
銀のクリップ深海にふりつもる
夜の痛みを木菟とわかち合う
インスタントな詩 雪のリボンほどく
木曜の毛布がうまい嘘をつく
きれはしの言葉を拾う冬の浜
晩秋の椅子の記憶がきしみだす
これからも目覚めることのない芒
白菊の深々として夜の真珠
とぷんと息 月いつまでも月のまま
沈黙の檸檬ひかりは直角に
蜉蝣の骸かすかに海の色
一人づつ眠ってしまう流れ星
ミシン目をひらけば新しい私
からまった紐 からまったままに置く
淋しい炎だった 僕ら花野へ
渦巻き 奇妙な 夏帽子 島影
柔らかい踵 蟹踏む かすかに 死
街 夕立 猫の寄り道 花樗
八月のわたしの骨をたしかめる
ホワイトノイズ 短夜の羊水
喪失を語る 傘なら二本ある
短い夜だ 土星まで踊ろうか
傷つけないためにつく噓ねむの花
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致