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あなたの目を見ると
死にたくなるような心地になる
あ、お風呂が沸いた

コーラの泡が消える頃
葉桜の匂いがした
子犬が足元に来た、

あなたのいう愛と
私の思う愛が
全くの別物だといい
春は嫌いだ

この角を曲がれば
視界いっぱいの桜
誰もいない朝は
スキップしちゃおう

　　　花が咲いた
　　花が咲いた
　花が咲いた
今、咲いた

受け取れないと分かっていながら
手を伸ばさずにはいられない
春光

海で私の声がしたら
それは偽物です
窓辺に置いた花瓶の中を
よく見てください

舌先が逃げ出すようなコーヒーも
君となら美味しく飲める

おっとうが壊したアザラシ
月曜日の朝

野菜のサブスクから消えた白菜
祝雷が来た
私を置いて春になろうとするな

やっぱりダメだったよ
海が青すぎるから

夕焼けの帰り道
十メートル先の商店街
晩ごはん前のおやつ
アツアツのたい焼き

胃が痙攣するほどの喜びを
水槽のベタは知らない

台所で生姜をおろす時
アメリカの大統領が決まる

ビン底のジャム
寝かしつけるように
蓋を閉める

昔何度も隣で聞いた
君のラブソング
ついに懐かしのヒットソング
になった

白む空がわたしに
言ってくる

「忘れなさい」

年明けのコーヒー
大人になったから
砂糖はいらないよ

植木鉢の下で眠る
ダンゴムシさん
私もとなり、いいかしら

僕だけがわかる
眼差しの音
水面に写る月へ落ちる
水滴

凍った水道管の
果て
回らない洗濯機

小さな君の
イメージカクテル
「真っ直ぐな恋」
　と
「諦めない心」

研磨された輝きに
手を伸ばすと同時に
自分の身も削られる
それがダイヤモンド

気後れした風に
雀はこう言ったのさ
「あなたは愛してくれないのね」

「キショイね」
こんなに悪意に満ちて鋭利な言葉
そうそうないわ

履き慣れないパンプス
足首にはあおたん一つ

君のためのハンドクリーム
無香料

おまえの中で生きているおれは
暗渠より暗く冷たい目をして
枯れ葉を掃く

目頭に乗せたハイライトだけに
現れるラメの中のコスモ

お洒落着洗いだけで回るような
世界であれ