君の影、あくび、瞬き、ため息を まだ名前のない単位で数える
鏡面を保ちつつ湧く水の様に 怒らないけど許さないから
窓に体温を吸わせる 陶器になりたい
あきさめは ぎんいろにうたい はなびらは ぎんいろにふるえ
片寄合う秋明菊の細い首
朝日射す透明骨格標本の秋
秋澄んで眼はビー玉に手は翅に
ひとりごち 寝巻きの厚さに依る夜長
水槽の中の土曜日秋曇り
淡々と虚像をはらむ彼岸花
神さまにも 救われたい日があるんだろうか
どうして九月は 宇宙と同じ密度なんだろう
うたた寝の あなたに顔を寄せてみる 瞼に夢が透けているかも
陰圧の身体に秋風引き込んで
s子音にも 秋が来ている
空耳は 誰の声に似ていた?
現状維持じゃ だめなのよ、 と百日紅
ドルフィンキックで 揺れる熱帯夜のネオン
幸せをこまめに定義し直して ちょっとしょっぱい 煮物も幸せ
やまいだれに押し込められて 正しさも錯乱の一つ
蓮の花の閉じる時 私も封じ込めてほしい
人類の業を赦さない炎天
手中案外静かな蝉の軽さ
夜の裂け目ぱっくりと百合香る
あいすくりーむ 溶けて あいすくりーー ー む
代償も正義もいらない水鉄砲
04時02分 テレビの異国にも白シャツ
苦悩さえ ゼブラフィッシュの明晰夢
月光を束ねた躰 蝉生る
ホタル翔び 火星第三衛星に
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