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茶碗が泣いている
フォークが刺さっている
食洗機が唸っている

鳩を口説き始めた

人間を供えられた時
どれほど人間が憎かったか
化物の気持ちが分かる

逆に考えるんだ
あいつにとって
お前らは
いらないんだ

悲しいと言えば
何か救われたのだろうか
手の平の上の愛
僕はもう助からない

愛してみれば分かる
愛しているという言葉が
賛辞ではないことくらい

星くずが降る音
(ポテトチップスを食べる私の)

弁当の隅に詰まってる
真っ黒い佃煮みたいな
敵意

棕櫚帚で
ワンルームから掃き出す
恋心

部屋の片づけをする
紅茶を淹れる
あなたを忘れる

お前なんかいらない
なんで産んだんだ
と言われて納得した

コーヒーを飲んで
すこぶる苦い
と爆笑する
想像上の息子

年が明けるみたいに
ポンと子供を産んで
死にたかった

「魔法は要らない」
灰被りの囁きに、王子は頷く。
「必要なのは祈り」

星が眩しいので
目を閉じて水に足を浸す
伸ばした指の先で
散り逝く光

彼方がいてもいなくても
私がいてもいなくても
生きていけると思っていた

好きな子出来りゃ幸せで
子供が産まれりゃ僥倖で
それで良かった筈だった

ゆびがほしい
あしをください
かみをきりたい
のぞんでみたい
こえがききたい

結局どう考えたところで
あなたは私と違う
ただそれをあなたが認めないだけ

激しめのえっちの後
何食わぬ顔で
コーヒーを淹れる背中

ぷてらのどん
てんどん
かけぶとん