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陰茎は
ギターを弾くには軟らかく、
　体位からして適さぬ指だ。

試作機は
足で立ったら小便が出て
手で立ったら精液が出る

廃版の海図に遠く手の記憶

肛門がかつて唇であったことを
恐れて俺は糞っ垂れが言えない

陰核に辿り着くまで
数々の喩と
その時々に捨てた残杯

それいじょうあおくなれない
さびしさに萎んで
濃くなる
風船の
青

全くの他人に比べ、
家族には
私を殺す理由が多い。

灰皿の煙草のように寄り添って
灰がこぼれるのを待つばかり

いつからか
俺はどじょうを股に提げ
夏が来るたんびに泣いていた

来た道を戻れ大雨雨小雨

オノマトペ
だけの会話が
二秒ほど続いて
たも網を引き揚げる

温室効果ガスで膨張する俺の百年

︙︙同様に死にとっては俺という
旅烏が権利であると同時に義務で
もある。

本妻とはいかにも嫌な言葉だが、
鮮魚売り場の女達
の
目もまた恐るべき、だ。

「若いから」って許してほしい
望むなら
あなたのことも若いって思うよ

人生の節目節目もヒッピー忌

楽なんだ。
右に死人を運ぶより、
俺が左へ歩いたほうが

この裸には♤の置き場が無い。

発露した無頭児と立ち会うのは
いつだって
失恋に泣く十六の私のままだった

戦前と戦後の汀
ミリタリージャケットの
まま、
泳ぎたい気持ち

ポルノ売り歩いて西へ西へ西へ

声小さいから何回でもさよなら

へびたうねるたわしめす。
　のうのうようなばこま
　うたならうにけれろし

俺はまだ
鼠としては二流だが、
人間としては高専卒だ。

柿を食えば
柿を食えない季節から
遠ざかってゆく
そんな秋

末世にも能動性を持たぬ尻

いつ啞となるかも知れず銃の鉄

人の数だけ剣の術あり羅切

じょせいきのかたちにゆらいして
できたかんじのひとつかもしれま
せん

たまに虫、たまに天使で育つ羽