生存という名のキャリア 猫じゃらし
スプーンの音まろやかに文化の日
凍星が撫でる名の無い無精卵
柿のタタンまだ話してる途中です
言葉より先に腐ってゆく林檎
ピルのアラーム 秋気は頬にぬるすぎて
シュプレヒコール 水楢は記憶のかたち
秋の宵 パセリぽぽぽと散らばせて
どーぱみん中毒のきみ九月果つ
居待月 家具のなかでは椅子がすき
オムレツを布団のようにして機内
子規の忌 の 好調 と 不調 の あいだ
あてすえ と言ってよ鮫にならないで
蓑にくるまれて金箔色のゆめ
みらべるのじゃむ ゆらゆらと煮る 夜長
タコパしよ、 冬銀河とか見えるかな
しろくまはすすむ 朧に触れるまで
パリは雨 薄目で祈る天使たち
無花果は なぐ さめ て くれ ない けれ ど
たるとたたん 素足で鳩の影を踏む
舌先にアクサン芽吹くここは巴里
夏藤を離陸のときに思いだす
立つ東京 寝ている京都 夏の果て
整列のマカロン 遠い国の夏
ぱいなっぷる抱いて 地下鉄 すこし泣く
泣き声の匂い青蔦の温度
メロンに指よく泣く人と別れては
さみしくて ぱらぷりゅい静かにたたむ
指に痣 みつ豆のひと匙ひかる
ムルソーの声を聴きたくなる炎暑
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